2026/10/15 13:42
お店でお客様とお話ししていると、時々話題に上がるのが「腸内フローラ検査」です。
実は、僕自身はこの検査を受けたことがありません。
ただ、どんなことがわかるのか、本当に健康づくりに役立つのか、以前から気になっていました。
そこで今回、検査について情報を集め、PubMedに掲載されている医学論文や専門家の見解まで調べてみました。
調べていくと、検査でわかることだけでなく、検査結果を受け取る際に知っておきたい課題も見えてきました。
せっかく調べた情報なので、自分自身の備忘録も兼ねて、残しておきたいと思います。
腸内フローラ検査に興味のある方にとっても、ひとつの参考になればうれしいです。
腸内フローラ検査は、どこまで信用できるのか?
腸内フローラは、食べ物や薬、生活習慣などによって変化します。
そのため、検査結果は一生変わらない体質ではなく、あくまで検査した時点の状態を反映したものです。
また、便の検査でわかるのは、便に含まれる細菌やその遺伝子の情報です。腸内にいるすべての菌や、腸内環境のすべてを把握できるわけではありません。
さらに、注目したい研究があります。
2026年に医学誌 Communications Biology に掲載された研究では、市販の腸内フローラ検査サービス7社を対象に、同じ標準化された便の試料を使って測定結果を比較しました。
その結果、検査会社によって測定結果に大きな違いがあり、会社間の違いが、人と人との腸内細菌の違いと同程度に達する場合もあることが報告されました。
つまり、同じ便を調べても、どの会社に依頼するかによって結果が変わる可能性があるということです。
(出典:PubMed掲載論文 PMID 41748906)
さらに、2025年に医学誌 The Lancet Gastroenterology & Hepatology に掲載された国際的な専門家の合意声明でも、腸内フローラ検査を日常診療で広く推奨するには、まだ十分な科学的根拠がないと指摘されています。
(出典:PubMed掲載論文 PMID 39647502)
では、検査結果に意味がないのでしょうか?
そうとは限りません。菌の種類や割合を測定する技術そのものには意味があります。
しかし、菌の種類や割合がわかることと、その結果から健康状態や最適な食事・サプリメントまで判断できることは、別の話です。
検査結果だけで「この菌が少ないから健康に問題がある」「この菌を増やせば健康になる」と判断するには、まだ課題が残っています。
大切なのは、検査結果の数字だけを見るのではなく、その数字が何を示していて、何を示していないのかを理解すること。
腸内フローラ検査は、自分の腸内細菌を知るためのひとつの手段です。ただし、健康状態を判断する絶対的な基準として受け取るのは、慎重であるべきだと考えます。