2026/02/02 09:16
森の中では、「年をとった木」がわざと倒れることがある、という話があります。
倒木というと、台風や大雪で仕方なく倒れたもの、というイメージが強いですよね。
でも実は、寿命に近づいた木や、弱ってきた木が、
まるで自分の役目を終えるかのように倒れるケースも少なくありません。
倒れた木は、そこで終わりではありません。
ゆっくりと朽ちながら、キノコや微生物、虫たちの住みかになっていきます。
その分解の過程で、木が蓄えてきた栄養は土へと戻り、
次の世代の木や植物を育てるための“ベッド”になります。
森の中で、倒木の上に若い木がずらっと並んで育っている光景を、
見たことがある人もいるかもしれません。
これは「ナースログ(看護木)」と呼ばれ、
古い木が、新しい命を静かに支えている証拠です。
きれいに整備された森よりも、
少し雑然として倒れた木が残っている森のほうが、
実は生きものの種類は豊かだったりします。
森は、
「生きる → 支える → 譲る」
この循環が、ごく自然に、当たり前のように続いている場所。
倒れることすら、無駄じゃない。
そう思うと、森の見え方が、少し変わってきますよね。